郷 友 歌 壇


  令和2年7・8月号より
  手を伸ばし 目覚まし取りて 確かむる 今少し居る まどろみの刻 横浜市  川田 眞佐子
  この風に かほる花の香 望月の 光を受 けて 卯の花浮かぶ
  荷造りに 思い出つのり 手がとまる ひと月の猶予 残り少なし 町田市  中里 真二
  春眠の 暁知らせる お客様 まだ寝てるの と 小鳥さえずる
  ゆったりと 花筏流れ 岸辺には 菜の花黄に咲き いま盛りなり 町田市  永野 節雄
  春休み ゴールデンウイークも コロナ禍で 消えて蟄居の 学童哀れ
  鉄線花 壁よじ登り 白き八重 花咲き競う 斜陽に映えて 草加市  勝木 俊知
  コロナ鬱 菖蒲湯に入り 吹き飛ばせ 端午の節句だ 粽も食べて
  水仙と 菜の花 桜 咲きそろい 緑さやかな道 鴨川に向かう 豊島区  橋本 孝一
  傘寿過ぎ 重ねし月日に 思い閉じ あなたを忘れ 己も忘れ
  ステイホーム 「三密」避ける 孫からの 元気ですかの 電話になごむ 港区   宝珠山 昇
  小川から 水を汲みきて 風呂を焚く 手伝 いをせし 戦後懐かし
  現憲法 個人主義を 尊重し 強制力無く コロナ跋扈す 福井市  橋詰 見世
  緊急事態 宣言すれど 国民の 安心安全 守る鞭無く
  コロナにて 人の絶えたる 園に咲く 桜かなしも 咲きの盛りを 選者   安元 百合子
  百歳の 母のはぶりに 赤飯を 炊きしといふを 胸いたく聞く