令和4年 5・6月号より |
起きて待つ 二十四時間 ベットの上 夜明け恋しや コロナに感染 |
豊島区 |
橋本 孝一 |
病み上がり 辿り着きたる 久遠寺に 法要参向 みつまたの花 |
ウクライナ 衆愚政治が 招きしか わが家日本の 戸締り尋ぬ |
港区 |
宝珠山 昇 |
スノーボード 歩夢二刀流 金メダル 小さ き頃の 夢を叶えし |
春を待つ ウクライナ国 国民の 愛国心に依りて 生き延ぶ |
福井市 |
橋詰 見世 |
世界から 非難されても プーチンを 支持する国民 悲しからずや |
折れそうな 心を隠す 吾にして 優しき言葉に 涙止まらず |
横浜市 |
川田 眞佐子 |
バスを降り 夜空に冴ゆる 上弦の 月と並びて 家路をたどる |
八朔を むきていただく この時期は 酸い実を好みし 祖父を想ひぬ |
川崎市 |
佐瀬 洋子 |
当たり前と 思ふいつもの 一日を 今日も過ごせる ことに感謝す |
夢に見し 孫の運転 助手席に 乗せて貰ひて 車窓楽しむ |
町田市 |
中里 真二 |
水ぬるみ 別るる人と 来る人の 寂しくもあり 期待もありて |
ビル影に 遠望消えし 富士見坂 街路の並木は 春の気配が |
町田市 |
永野 節雄 |
親木より 一足早く 芽吹きする 春の気配の 寄生木の群れ |
紅白の 梅咲きみちて さ庭辺を 風運びゆく 季節の香り |
草加市 |
勝木 俊知 |
亡き父の 愛でし鉢植えの 君子蘭 五十年過ぎても 葉はつややかに |
2の文字が 六つ重なる 日にあれば 今日はスーパー 猫の日なりとふ |
選者 |
安元 百合子 |
名刺もつ 用なくなりて 時たちぬ 思い出と共に 始末なし終ゆ |